さがみはらの農風景 〜1月~

 寒い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 

相模原の農業情報を二つ、お届けします。 

一つ目は、令和4年1月中旬に行われた 相模原市果実組合の「柿剪定(せんてい)講習会」の様子をお届けします。 寒空の下、当麻の柿畑には10人の農家さんが集い、専門家講師による講義を受けました。 

剪定とは、伸びた枝をハサミなどで切ること。・・・といってもやみくもに切っているわけではなく、 どのように枝を配置すれば、より葉に陽を当てられるか、実をどう成らせるか、作業効率が良くなるか・・・ 

「今」ではなく「数年後」の樹のイメージしながら、枝を切ったり、切れ目を入れたり。 まるで魔法のように樹の勢いをコントロールして、枝を出させては樹形を整え、 全ては「より美味しく、形のきれいな実を成らせる」ために。 このように、剪定は果実の収量や品質に大きな影響を与えるとても重要な作業とされています。 

一口に柿と言っても、次郎、富有、太秋など、いろいろな品種がありますが、 品種によっても剪定やその他管理の方法が異なるので、 農家さんには多くの知識と高い技術力が求められます。 だからこうして定期的に講義を受け、農家さん同士で意見交換をしたり、 鍛錬を欠かさないというわけですね! 

剪定の実践を見ていると、「こんなに枝を切ってしまっていいの??」と焦るほど、 たくさんの枝が切り落とされます。 

だけど大丈夫! 

農家さんの手によって、また次の秋にはたわわに実る「美味しい柿」ができるはずです! 次の実りを、今はじっと待ちましょう。 

※これは、講習会が行われた畑の「ある秋の実り」の様子です。 

二つ目は、令和3年10月下旬から令和4年2月中旬にかけて順次行われている、 市立保育園での「食育事業」の様子をお届けします。 

「食育事業」とは、相模原の農業や野菜についての知識・経験が豊富な講師を市立保育園に招き、保育園児に対して野菜等の食育に関する講話をしていただく事業です。 講話は、講師が持参した野菜を紹介したあと、保育園児が自由に野菜を触りその匂いや感触を肌で感じてもらうという内容です。 

この日、講師が持参した野菜はなんと17種類!! 

ブロッコリー、にんじんやさつまいもといった園児たちに馴染みの深い野菜から、株ネギ、こんにゃくいもといった普段スーパーなどで見ることの少ない野菜まで、様々な野菜を紹介していただきました。それぞれの野菜の美味しい食べ方や育て方など、講師の興味深いお話に園児たちは釘付けでした! 

講師の説明を聞きながら、野菜に触れる園児たち 

ひとつずつ習ったばかりの野菜の名前を復習しながら、匂いや感触を肌で感じる園児たち 

ここで、各保育園で園児から講師に投げかけられた質問のうち、印象に残った質問をご紹介します! 

Q.(園児)ピーマンは本当に体にいいの? 

A.(講師)本当に体にいいよ!お野菜はそれぞれいっぱい栄養があるから、好き嫌いしないで食べてね。そうしたら大きくなれるよ。 

この子は恐らくピーマンが苦手なのでしょう。でも、おうちの方や保育園の先生がみんな「体にいいから食べなさい」というので、本当にそうなのか野菜の先生(講師)に確かめたくなったのかもしれません(^^) 

Q.(園児)スイカはどうしたら大きくなる? 

A.(講師)肥料・太陽・水の条件を揃えることだよ。特に、十分な肥料を入れて土を良く耕す、土づくりが肝心だよ。 

この保育園では以前スイカを園庭で育てていたようですが、あまり大きくならなかったようです。来年は土づくりを頑張って、保育園みんなで食べられるくらい大きなスイカが出来ると良いですね。

普段触れることの少ない生野菜に触れた園児たちは、野菜の名前や栄養について、非常に興味を持ってくれたようです。 

講話はいずれも園児たちのお昼ご飯前の時間帯に行われ、その後の給食では、「大きくなれるから。」「食べてみたら美味しいかもしれないから。」と、一生懸命苦手な野菜にチャレンジする園児たちの頑張りが見られました!